「茶葉が先か、湯が先か」が、さほど重要ではない理由

前回、茶葉が先、湯が先を試してみたお話をしました。今日は、そのことについて、もう少し肩の力を抜いていただけるようなお話をしたいと思います。
実を言うと、「茶葉が先か、湯が先か」は、それほど気にしなくてよいことなのです。
なぜなら、比べてみても、大きな差はないからです。リーフティーでも、ティーバッグでも同じ。
言われなければわからないくらいの差で、何気なく飲んだだけでは、気づかない方がほとんどではないでしょうか。
もちろん、違いがまったくない、というわけではありません。
ただ、「これが決め手だ」というほどの差ではない、ということなのです。
実は、紅茶をいれるときには、これくらいの違いは、日頃からよく起きています。
あなたは、紅茶をいれるとき、茶葉、湯量、蒸らし時間、すべて正確に量っていますか?
リーフティーの場合は、目分量でいれている方も多いのではないでしょうか。
茶葉が4gと5g、湯が290ccと310cc。このくらいの違いがあれば、まったく同じ味にはなりません。
勘違いしないでくださいね。これくらい違っても、まったく問題ないのです。「違ってはいけない」という話ではありませんからね。
茶葉の量や湯の量が少し違う紅茶と、「茶葉が先の紅茶」「湯が先の紅茶」。この2つの差は、同じくらいのものだと思っていただければと思います。
さらに言うと、まったく同じ味の紅茶でも、そのときの体調や、気候、気分によって、感じ方は変わるものです。
たとえば、
今日いれた紅茶が薄く感じられた……それは、体が濃いめの味を求めていただけかもしれません。実は薄くなかったのに、そう感じただけかもしれないのです。
今日いれた紅茶が渋く感じられた……それは、少し体調がすぐれなかったせいかもしれません。
もしかすると、この2つの紅茶は、本当は同じ味だったのかもしれませんね。
このようなことは、紅茶をいれていれば、日常茶飯事に起こることです。それでよいのです。ご家庭でいれる紅茶は、テイスティングではありませんから。
水分補給として紅茶を飲むこともあるでしょう。けれど、多くの場合は、ホッとひと息つきたいとき、お茶の時間そのものを楽しみたいときに、紅茶を飲むのではないでしょうか。
でしたら、微妙な違いに頭を悩ませるよりも、もう少し肩の力を抜いて、気楽に楽しんでみませんか。
私たちはつい、些細なことを大げさに捉えてしまうことがあります。反対に、本当に大切なことを、見過ごしてしまうこともあるのです。
紅茶の味を、もっとも大きく左右するのは、茶葉そのものです。
いれ方を多少変えたとしても、同じ茶葉であれば、味が大きく変わることはありません。けれど、ダージリンとアッサムを飲み比べれば、ほとんどの方が、その違いにすぐ気づかれるでしょう。
お好みの紅茶の味、お好みの茶葉を見つけることこそが、美味しい紅茶に近づく、いちばんの近道なのです。
「美味しく紅茶がいれられない」と悩まれる方、いれ方に迷っておられる方は、もしかすると、まだご自身にとっての「好みの味」「好みの茶葉」に出会えていないだけなのかもしれません。
いれ方にこだわることも、もちろん素敵なことです。けれど、それと同じくらい、ご自身の好みの紅茶の味、好みの茶葉を見つけることにも、目を向けてみてはいかがでしょうか。
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